移住はやめてセカンドハウス
コロナがなかったら、おそらくセカンドハウスを買おうなんて夢にも思わなかっただろう。
そもそも、別荘に価値を感じなかった。
別荘を買うなら、好きなところに旅行に行けば良い。
別荘の購入費や維持費を考えれば、何度も素敵なホテルに泊まれることだろう。
メンテナンスも必要ない。
ただのサラリーマンにとって、別荘なんて無用の長物に過ぎない。
そう思っていた。
ガラッとその考えが変わったのは、コロナのせい。
正確に言うと、コロナ感染拡大によって緊急事態宣言が発令され、リモートワークが始まり、これが定着したせい。
リモートワークは画期的だった。技術的には以前からできたことだったけども、社会全体がオンライン上で商談や会議を行うことを許容したことが大きかった。
やってみたらできたし、けっこう便利だということに気づいてしまったので、たとえコロナが世の中から消滅したとしても、この変化は戻らないだろう、そう、ニューノーマルになるだろう、と確信した。
その時、ふと疑問がわいた。
なんで東京に住んでいるんだっけ。
答えは簡単だ。職場が東京にあるからだ。
でも、通勤する必要がないのなら、どうだろう。
「もはや東京にいる意味はない」
とはいえ、移住は問題が多かった。
そもそも毎日行かなくても、通勤することはある。連日になることもある。
妻は都民でいたいらしい。
2人の子どもには小学校の友人がいる。
しかし、どこで仕事をしてもいいのに、殺風景なコンクリートジャングルにいるなんて。
集中したいときにでも、子どもの友達は隣のリビングにやってくる。犬がほえる。
ニューノーマルになったって、書斎なんてもてないマンション暮らしでは、会社がベストな仕事環境なんだろうか。
2020年夏、逗子マリーナに家族で遊びに行っていたとき、妻がなんとなしに言った「こういうところに別荘があったらいいね」を聞いて、
「そうか、もう一つ家があればいいんだ」
と思ったことがセカンドハウスを買うことになったきっかけになったのだった。
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